大塚製薬株式会社様にご協力いただき、以下の院内研修を行いました。
- LAI(持効性注射剤)の筋肉内注射をセンサー付き模型で手技確認
- 薬剤性鎮静をバーチャル体験
LAI(持効性注射剤)は、毎日何度も飲む薬を月に1~2回の注射に置き換えられるもので、飲み忘れ防止などの観点から重宝されています。
種類はまだまだ少なく、統合失調症や気分障害の治療に用いる一部の抗精神病薬に限られますが、外来通院や往診の際に注射するだけで済むなどの利点から、使用されている患者さんが増えています。
注射は筋肉内注射を行いますが、神経損傷などのリスクから安全な注射部位が定められています。
今回は適切な位置・深さに反応するセンサー付きの模型を用いて、注射手技の確認を行いました。
向精神薬は副作用として鎮静がよく問題になります。
我々医療者も鎮静が患者さんの生活に支障を来していないか日頃から気をつけていますが、実際にどんな感覚なのかは患者さんご本人にしかわかりません。
今回はゴーグルタイプのバーチャル体験機(いわゆるVR)を用いて、日常場面で鎮静弱・中・強それぞれを体験しました。
体験してみると想像以上にフラフラで、注意書きにもある通り酔ってしまい最後までゴーグルをつけていられないスタッフもいました。
(お酒で酔っ払った経験がある方は、飲みすぎて焦点が定まらない感じ、真っすぐ歩けない程度の状態を思い出してください。)
こんな状態が日常的に続いていると思うととても生活できないと痛感し、副作用の確認はご本人の体感をよくお聞かせいただくことが大切だとあらためて確認・共有できました。
日々のケアにすぐにいかせる貴重な体験の場をご提供いただきました大塚製薬様に感謝申し上げるとともに、今後も医療の質向上に努めてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。