避難所運営ゲーム(HUG:ハグ)は、避難所運営をみんなで考えるためのひとつのアプローチとして静岡県が開発したものです。
災害が起きたと想定して、避難所を運営する立場になり、避難者の年齢、性別、国籍などそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるのか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを疑似体験するゲームです。
要援護者へ配慮しながら部屋割りを考え、炊き出し場や仮設トイレの設置場所を考え、マスコミの取材対応といった出来事にどのように対応するかを思いのまま意見を出し、話し合いながら避難所の運営を学ぶことができます。
HUGは「Hinanjo(避難所)」、「Unei(運営)」、「Game(ゲーム)」の頭文字をとったものです。また、「HUG」には英語で「抱きしめる」という意味があります。「避難者を優しく受け入れる」といったイメージと重ね合わせて名付けられました。
いよいよ実践です。
じっくり考える間を与えず、次々と出来事カードが提示されていきます。実際の災害現場でも、時間は止まってはくれません。役割分担して、情報整理にホワイトボードも活用します。
グループごとに試行錯誤し、演習が終わったら結果を見合って意見交換や振り返りをします。
人は判断や価値観が異なるためそれぞれ違った結果になりますが、色々な要素を考えなくてはならない状況で、「これが正解」はありません。
こういった機会を通じて、実際に災害が起こったときに何が大切なのかを体験するとともに、「そういう考え方もあるんだ」と共有することが学びになります。
せっかくの機会なので、当院での災害時用の設備についてもおさらいしました。
当院では新人教育の一環として、若手職員を対象に毎年こういった研修を行っています。
ご参加いただいた皆さんの感想が集まりましたら、今月中を目途にこの記事に追記いたしますので、頃合いを見てあらためてご覧ください。