新年のご挨拶
姫路北病院 院長 西野 直樹
2016年(平成28年)のはじまりを寿ぎ、謹んでご挨拶申し上げます。
2015年は、TPPの大筋合意(10月)、医療事故調査制度(10月施行)、ストレスチェック制度(12月施行)、マイナンバー制度(平成28年1月施行)、新専門医制度(平成29年4月開始)、2015年問題を見据えた地域包括ケアシステムの構築など、医療界にとっても重大な出来事が矢継ぎ早にありました。
精神科医療では、一層の病床機能分化と長期在院者の地域移行が要請されています。ただ、精神疾患が医療法に規定する5疾病に位置づけられたのにもかかわらず、精神科医療に対する正当な評価(底上げ)は未だなされていません。幸い、精神科医療に深い関心を持ち、生涯をかけて取り組むに値する職業として選択する若い世代の仲間が増えていることは本当に喜ばしい限りであります。同時に、次世代に確固とした基礎を引き継ぐ私たちの責任の重さを痛感します。精神科医療従事者の日々の真摯な努力が報われ、その成果が患者さんやご家族、地域社会に還元されることを切に願います。