今年もTQM活動が始まりました。
1.TQM11年目にして思ったこと (副院長 岸 睦久)
月日がたつのは早いもので、TQM活動も11年目になりました。
活動が始まった頃は自分自身全く知識がなく、「TQMとは何か?」ということから勉強し直しました。
『TQMは、米国でTQCから発展した活動で、顧客が満足する品質を備えた品やサービスを適時に提供し、企業の全組織を効果的・効率的に運営し目的の達成に貢献する体系的活動である。』
文章を読むと難しいことばかりでしたが、要するに病院のサービスを商品、患者を顧客ととらえ、経営第一に労働の管理と強化を課すというものでした。
この時点で私はTQM活動が嫌になりました。苦しみ悩んで来院する患者さんを「顧客」とは考えられず、仕方なく話し合いに参加したり、時には舞台に上がったりもしましたが納得はしていませんでした。
しかし数年経った頃、ふと「何か違う??」と思いました。気づくと、思っていたのとは違う活動が繰り広げられていました。
「顧客(これには今でも抵抗がありますが)に対しどうすればよいケアができるか」「そのためにいかに業務を効率化して時間を生み出すか」「無駄なく楽しく業務をこなせるか」など各部署から多くのマネジメントの提案が出され、成功したものは全体に波及してゆく。
そのなかで今まで見えなかった職員の特技や個性が発揮される。結果として強い組織・職員にとって仕事がしやすい職場ができていました。
これだったのか….。と解ってからはTQMと聞いても嫌な感じはなくなりました。
最近では各部署からどんな名案が出てくるのか、どんな工夫が提案されるのかと楽しみになっています。
また、1つの事にその部署の皆が協力し、結果をまとめて発表するというプロセスが見えるとき感動を覚える時もあります。
今後とも姫路北病院の活性化のため、TQM活動が無理のない形で継続されることを願っています。
職員の皆さま、ご指導いただく立川先生に厚く感謝いたします。
2.TQMについて(人材育成研究所 立川 義博先生)
T:ともに
Q:質を高め
M:みんなでつながる
姫路北病院のTQM活動はこのフレーズを確実に実現しています。
患者・ご家族・利用者中心の問題点の発見、解決のための対策、改善実施策の実践は11年間の継続力で見事な組織能力に進化してきました。
他施設にはない心温まるぬくもり、心穏やかなコミュニケーション、心安まる時間を共感出来ます。
TQM活動の意義と目的を職員ひとり一人が理解し、絶え間ない努力で築きあげてきたことが何よりの礎だと確信します。
だからお互いの人間関係を良好にして組織を活性化し成果を出すマネジメント力の向上をはっきりと現場ヒアリング時に実感します。
私と職員の皆さんが「あ、うん」の呼吸で医療改革の時代に適応した取り組みを日常的に行っていくことが出来ることもすばらしいことだと思います
3.研修の感想(院内研修アンケートより)
・今の問題となっている事は何かと毎年考える機会となっているように感じる。今年も頑張ります。
・問題探しのヒントとしての着眼点と問題点とが起きてからの着目すべき点は気づきとなりました。チーム医療は相互確認であるという事です。
・一緒に働くスタッフがどんなことを感じたり考えている事がわかってよかった。
・2年目となり、1年時での経験と照らし合わせてきくことが出来ました。
・日々の業務の振り返り、改善の意識付けの良い機会です。また、コラボで他部署の方々とも色々な話ができ課題もでてくるので良い気付きになりました。